ジュエリー用語集
テリ / luster
テリとは、真珠の光沢のことです。英語では「luster(ラスター)」と言います。真珠の品質評価において最も重要な要素とされており、テリの強さが真珠の美しさと価値を大きく左右します。
テリの仕組み
真珠のテリは、真珠層の構造が光を反射・屈折・干渉させることで生まれます。真珠層はアラゴナイト(炭酸カルシウムの結晶)とコンキオリン(有機タンパク質)が交互に積み重なった層状構造です。この薄い層を光が通過する際に干渉を起こし、独特の輝きが生まれます。
- 表面反射:真珠の表面で光が反射し、鏡のような輝きが生まれる
- 透過・内部反射:光が真珠層の内部を通過し、内側からの輝きが加わる
- 光干渉(オリエント):薄い真珠層の層が光を干渉させ、ピンク・グリーンなどの虹色の干渉色(オリエント)が現れる
テリが強い真珠は、表面に顔や周囲の景色が映り込むほどの鮮明な輝きを持ちます。
テリを左右する要素
テリの質は主に以下の要素によって決まります。
| 要素 | 影響 |
|---|---|
| 真珠層の均一さ | 均一な厚みで積み重なるほど光の反射・干渉が規則的になりテリが強まる |
| 真珠層の厚さ(巻き) | 十分な厚みがあると光の透過・内部反射が加わり深みが増す |
| 結晶の配向 | アラゴナイト結晶が均一に配向しているほど光が規則正しく反射する |
| 表面の滑らかさ | キズや凹凸が少ないほど表面反射が鮮明になる |
テリの良し悪しの見分け方
日本真珠振興会では、テリを段階的なグレード(エクセレント等)で表記せず、定性的に評価します。テリが強い真珠には次のような特徴があります。
- 表面に顔や周囲の景色が鮮明に映り込む
- 内部から発する強い干渉色(中心にグリーン、その周囲にピンクなど)が見られる
- 真珠層が厚く均一に形成されており、光が規則正しく反射・干渉する
逆にテリが弱い真珠は、白く濁ったような輝きで、像の映り込みが不明瞭になります。テリは真珠を選ぶ際の最も重要な要素のひとつであり、鑑別書の有無や呼称(花珠等)に頼らず、実際の輝きを自分の目で確かめることが大切です。
アコヤ真珠と他の真珠のテリの特徴
アコヤ真珠は真珠層の結晶が細かく均一なため、特に鋭いテリが得られやすいとされています。白蝶真珠はやわらかく深みのある輝き、黒蝶真珠は暗色の地色に暗く深みのある輝きという特徴がそれぞれあります。淡水真珠は近年品質向上が著しく、高品質のものはアコヤ真珠に匹敵するテリを持つものも存在します。
テリの維持
真珠のテリは適切な管理によって長く維持できます。着用後はやわらかい布で軽く拭き、乾燥しすぎない環境で保管することが基本です。酸・アルカリ・化粧品・香水などは真珠層を傷める可能性があるため、真珠のジュエリーは化粧・香水の後につけるようにし、使用後は必ず拭いて保管することが推奨されます。


