ジュエリー用語集
ハート&キューピッド / hearts and cupid
ハート&キューピッド(hearts and cupid)とは、極めて高精度にカットされたダイヤモンドを専用の観察器具(ハートアンドアロービューア)で見たときに現れる、8つのハート形(下面側)と8本の矢形(上面側)の光のパターンです。なお「ハート&キューピッド」は中央宝石研究所(CGL)の登録商標で、海外や他の鑑別機関では一般名称として「ハート&アロー(Hearts and Arrows、H&A)」と呼ばれます。
ハート&キューピッドが現れる仕組み
ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドは、クラウン(上部)に33面、パビリオン(下部)に24面のファセットを持ちます。パビリオンのメインファセット8面が完全な対称性を持って配置されているとき、専用ビューアを通して見ると底面側にハート形、上面側に矢(アロー)形の影が現れます。
このパターンは、ファセットの角度・大きさ・対称性がすべて高い精度で揃っているときにのみ出現します。
ハート&キューピッドと品質評価
ハート&キューピッドパターンの出現は、ダイヤモンドのカット精度(特にプロポーションとシンメトリー)が高いことの目安とされます。トリプルエクセレント(3EX)に該当する個体に現れることが多いものの、3EXであれば必ず現れるわけではなく、また3EX未満でも条件を満たせば観察できる場合があります。CGLの判定基準では、一定範囲のプロポーションと水準以上のシンメトリーがあれば判定対象になるとされています。
確認方法
ハート&キューピッドパターンはハートアンドアロービューア(H&Aスコープ)という専用の観察器具を使って確認します。この器具は特定の方向からの光を利用して、ファセットの対称性によって生じる光の影パターンを視覚化します。
鑑定書との関係
ハート&キューピッドのパターンは一般的な鑑定書には記載されません。「ハート&キューピッド」の名称を使ったレポートを発行できるのは、商標権を保有するCGLのみです。CGLは独自のプロポーションレポートで「ハート&キューピッド」の判定を提供しています。
他の鑑別機関でも、同様の対称パターンを「ハート&アロー(H&A)」等の名称で評価・レポート化しているところがあります。婚約指輪などに用いるダイヤモンドの選定で、カット精度の高さの目安として広く認知されています。


