ジュエリー用語集
淡水真珠 / freshwater pearl
淡水真珠(たんすいしんじゅ)は、淡水(河川・湖)に生息する二枚貝を母貝として生産される養殖真珠の総称です。海水で養殖されるアコヤ真珠・白蝶真珠・黒蝶真珠と異なり、淡水域で育てられます。中国が世界の生産量の大部分を占める主要産地です。
母貝の種類
淡水真珠の主な母貝は以下の通りです。
- イケチョウ貝(池蝶貝、Hyriopsis cumingii):中国で最も広く使われる母貝。1頭の貝から複数の珠(数十個)を同時に生産できます。
- ヒレイケチョウ貝(Hyriopsis schlegelii):日本(琵琶湖)で養殖に使われる在来種。近年は中国でも利用されています。
- カラスガイ(Cristaria plicata):かつて中国で広く使われた母貝ですが、近年はイケチョウ貝が主流になっています。
無核養殖の特徴
海水真珠(アコヤ真珠など)の養殖では核(ビーズ状の核材)を挿入して真珠を形成しますが、淡水真珠の多くは「無核養殖」と呼ばれる核なし養殖で生産されます。核の代わりに貝の外套膜組織の小片を挿入することで真珠が形成されます。無核養殖では真珠の全体が真珠層で構成されるため、真珠層の比率が高くなります。
| 項目 | 淡水真珠 | アコヤ真珠(参考) |
|---|---|---|
| 母貝 | 淡水二枚貝(イケチョウ貝等) | アコヤ貝 |
| 養殖場所 | 河川・湖(淡水) | 海水(日本沿岸) |
| 核 | 無核(多くの場合) | 有核(丸核) |
| 一般サイズ | 5〜12mm程度(大粒化が進行) | 6〜9mm程度 |
| 色 | 白・ピンク・ラベンダー・オレンジ等 | 白〜クリーム・ピンク |
主要産地
- 中国(湖南省・浙江省・江蘇省等):世界の淡水真珠生産量の90%以上を占めるとされます。品質・価格ともに幅広いラインナップが流通します。
- 日本(琵琶湖周辺):かつては淡水真珠の主要産地でしたが、現在は生産量が激減しています。品質は高く評価されていましたが、ビワ真珠として流通していたものは現在ほとんど入手困難な状態です。
近年の品質向上
かつての淡水真珠は形が不揃いで品質が安定しないというイメージがありましたが、養殖技術の進歩により近年は形の良い(丸に近い)大粒の高品質なものが増えています。特に中国産の高品質淡水真珠は市場で高く評価されるようになりました。
品質評価
淡水真珠の品質評価はテリ(光沢)・形・キズ・色・サイズで行われます。無核養殖の場合は真珠層そのものの厚さを評価する点は同じですが、有核のアコヤ真珠と異なり真珠全体が真珠層であるため、巻きの厚さという概念は適用されません。鑑別書が添付されることがあります。
アコヤ真珠との違い
アコヤ真珠は海水養殖・有核・日本が主産地であるのに対し、淡水真珠は淡水養殖・無核・中国が主産地という点が主な違いです。アコヤ真珠は均一で高いテリが安定して得られることで知られ、婚礼用ネックレスとして長年の評価を確立しています。淡水真珠は比較的低価格で多彩な色・形が入手できる点が特徴です。


