ジュエリー用語集
カット(研磨)/cut
カット(cut)とは、ダイヤモンドの研磨の質を評価する4Cの一つです。4Cの中で唯一、自然が決めるのではなく職人の技術によって左右される要素であり、ダイヤモンドの輝きに最も直接的な影響を与えるとされています。GIAの評価では、ラウンドブリリアントカットに対してExcellent(エクセレント)からPoor(プアー)まで5段階でグレードを付けます。
カットが評価する3つの要素
プロポーション(Proportion)
ダイヤモンド各部位の寸法比率のことです。テーブル径・全体の深さ・クラウン角度・パビリオン角度など複数の数値が総合的に評価されます。プロポーションが理想的であれば、入射した光がダイヤモンドの内部で最大限に反射・分散され、上面から輝いて見えます。プロポーションが崩れると光が横や下に漏れ、輝きが損なわれます。
シンメトリー(Symmetry)
ファセット(面)の対称性のことです。ファセットの大きさ・形・配置が均等かどうかを評価します。シンメトリーが高いほど、光が均一に反射され整った輝きが生まれます。
ポリッシュ(Polish)
研磨面の仕上げの品質です。ファセットの表面が滑らかに仕上げられているかを評価します。ポリッシュの品質が低いと表面に微細な傷が残り、光の透過を妨げます。
GIAのカットグレード(5段階)
| グレード | 評価 |
|---|---|
| Excellent(EX) | 最高グレード。最大の輝き・バランスを実現 |
| Very Good(VG) | 理想に非常に近い。Excellentと見分けにくいほどの品質 |
| Good(G) | 標準的な品質。一部の光が最適な方向に反射されない |
| Fair(F) | 輝きがやや損なわれる |
| Poor(P) | 輝き・バランスが大きく損なわれる |
GIAのカットグレードは、ラウンドブリリアントカットのみに適用されます。他のシェイプ(ファンシーシェイプ)に対しては、プロポーションとシンメトリー・ポリッシュのみが評価されます。
輝きの3要素
カットの良し悪しは、以下の3つの光学現象に影響します。
- ブリリアンス(Brilliance):ダイヤモンド内部と表面で反射した白い光のことです。ダイヤモンドの全体的な明るさを決定します。
- ファイア(Fire):白い光がプリズムのように分散して虹色に見える現象です。分散光とも呼ばれます。暗めの環境でより強く感じられます。
- シンチレーション(Scintillation):ダイヤモンドや光源が動いたときに生まれるキラキラとした閃光です。ダイヤモンドの「瞬き」とも言えます。
トリプルエクセレント(3EX)
プロポーション(カットグレード)・シンメトリー・ポリッシュの3項目すべてがExcellentであるダイヤモンドを「トリプルエクセレント(3EX)」と呼びます。日本市場では婚約指輪に使用するダイヤモンドの品質基準として広く浸透しており、3EXが一つの選択目安になっています。
なお、GIAの鑑定書においてプロポーションの評価(カットグレード)はラウンドブリリアントカットのみに与えられます。
カットとカット形状(シェイプ)の違い
日常会話では「カット」という言葉がダイヤモンドの形(ラウンド・プリンセス・オーバルなど)を指すこともありますが、4Cにおけるカットは形状(シェイプ)ではなく研磨の質を指します。形状は「シェイプ」または「カット形状」と呼んで区別するのが正確な表現です。
ブリリアントカットはダイヤモンドが最大限に輝くよう設計されたカット方式で、その中でも最もスタンダードな形状がラウンドブリリアントカットです。


